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ケガのこと、環境のこと、保育の目指すところのこと

去る9/6(金) 18:30~、外部より講師をお招きして、

「保育におけるリスクとハザード ~見極める力と境界線&環境構成~」

と題した正規職員全員参加の研修を実施しました。


まず、「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」における不登校状態にある児童・生徒の「不登校の要因」の49.7%が「無気力・不安」という回答に衝撃を受けました。


乳幼児期に大事にしたい「心情→意欲→態度」。

お子さんたちはみんな、

「気持ち良い~」

「楽しそう~」

「なんだかワクワクする」

そんな心情から意欲が沸き上がり、実際にやってみる、という行動や態度に繋がります。


医療の発展により、人は生まれたら大人になることが当たり前のようになった現在。

SIDSやSUDIを起こさないために、体調を細やかに確認したり、睡眠チェックを行ったり、溺水や飛び出し、転落、虐待といった心身の発達に害を及ぼす危険性の高いことが起こらないように予防することは、保育者が絶対にしなければならない「危険回避」「安全対策」です。

けれど、「歩行」「かけっこ」「ジャンプ」「段差をジャンプ」「木登り」「枝をもって歩く」「石を拾う」「景色を楽しみながら歩く」「滑り台を逆さから登る」「言葉の発達途中でのお友だちとの意思の疎通」などなど、お子さんたちが持っている自ら育とうとする力を発揮したいその意欲を持ち、実際にやってみようとするその機会を、私たち「大人」がケガをさせないための「危険回避」「安全対策」を理由に奪い続けたら・・・

上記のように、お子さんのちょっとした自分の意思で動いた結果の受傷やお子さん同士の関わりでケガに繋がりそうな場面は日々たくさんあり、ヒヤリハットもサン・ベビールーム独自の「かみつき・ひっかき・その他報告書」も毎日のように上がってきます。

ちょっとした保育者の気付きや振る舞いにより受傷を回避できるものもあれば、ケガを伴うかもしれないけれどお子さんの発達に一役買っているもの、ケガを回避することでお子さんの意欲を奪うことが自明なものもあります。

サンベビーでは、かみつき・ひっかき・その他の受診するほどではないケガについては、発生したらその日のうちに連絡ツールにより職員間で共有され、半年に一度、集計し、話し合う機会を持っています。



さて、講師の先生の問いは、


  • それでも、日々の生活の中で、保育目標である「心情、意欲、態度」からかけ離れた保育をしていることはないだろうか・・・?


  • 意欲をそぎ落とし、無気力で不安だらけで、大人の承認を得なければ動けない大人になるように仕向けているかの如く 「自分なりの思いで、自分なりの視点でお友だちと関わる機会」 「今できることよりちょっと難しいことにチャレンジする機会」 を奪うことがありはしないだろうか・・・?

といった保育者としての葛藤を次々と突いてくれました。 それと共に、

  • 自分たちにできる危険回避・安全対策を、本当に充分に行っているだろうか?

  • お子さんたちが「もっと楽しく」「もっと嬉しく」「もっと自発的に」生活できる環境を整えているだろうか?

そんなことも考えさせられました。


研修が終了した後も、講師の岩田先生の話しを聞きたくて、遅くまで残っている保育者が数名いました。

手前みそですが、意欲にあふれた皆さんを素敵だな~と思いました。


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お見送りの中

「ここってこうした方が良いですよね?」

という保育者の質問に

「そう ”かもしれません” ね」

という講師の回答に「さすが!」と思った私でした。


余談ですが・・・

モデルハウスで生活はできない。

ゴミ屋敷でも生活はできない。

お子さんたちの意欲が沸き上がる園舎とは? について、9/20(金)のミーティングで話し合う予定です。




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